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お香の「香木」って、どんなもの?
お香の「香木」をご存知でしょうか?
源氏物語や枕草子が読まれた平安の昔から、女性はお部屋や着物にお香の香りを馴染ませ、楽しんでいました。
室町時代・東山文化(金閣寺や銀閣寺が建造された時代)の頃には、香木(沈香・伽羅)を使用する聞香形式、つまり香道が発展していきました。
ところで、お香という言葉は一般的でも「香木」については、あまりご存知の方はいらっしゃらないかも知れません。
それでは、天然の樹木からなるお香の香木について少し探っていきましょう。
お香の香木は天然の香る樹木?
お香の香木とは一般的には、樹木より採れる香料全般を言います。
通常、香木は、伽羅(きゃら)・沈香(ぢんこう)そして白檀(びゃくだん)の3種類があります。
ちなみに、沈香の中でも最高級品のものを「伽羅」と言います。
人を様々な世界に引き寄せる魅惑の自然の香り、香木材そのものに芳香を持つ独特の木を、香木といいます。
お香と切っても切り離せない仏教とともに伝来したといわれる香木の多くは、今も遠く中国やインド、東南アジアから輸入されてきます。
お香の香木は、体臭対策として使われたのが始まりという説も存在します。
お香の香木は漂着してきた樹木?
お香の香木は、漂着して来た樹木という説があります。
飛鳥・奈良時代、仏教伝来とともに「お香」が伝わったとされています。
その頃は推古天皇時代に、史実上定かではありませんが、一説として、香木が中国らしき異国から淡路島に流れついてきた。
それをたぶん、当時の浜辺の住人達はたき火やマキなどとして火を起こした時、その煙から今までの木とは違う不思議な良い香りがしたとされています。
時の聖徳太子は、手渡されたその木の欠片を見て“沈香”と認識したそうです。
これは日本書紀の記録にあるお話しだそうです。
鎌倉〜江戸時代にかけて、伽羅・沈香の香木の価値は高騰します。
お香の香木は、次第に、武士たちの間でも「権力の象徴」を意味する物になりました。
時の権力者豊臣秀吉や徳川家康なども、茶道具・華道具に加え香炉や香木の収集にとりわけ熱心だったと言われています。
江戸時代、交易が盛んになり、良質の香木が簡単に輸入できるようになります。
それまでほとんどが神社仏閣や仏事などの供香などに使用されていたお香が、一般庶民にも、簡易に各々の趣味の香りとして急速に普及し始めました。
いま、香木は乱獲されてしまい、貴重なものとなってしまったそうです。
お香の製造元でさえ、なかなか入手ができなくなってしまっています。
ワシントン条約などで規制されているものも数多くあるので、古来からのお香の香りの材料はますます高価なものとなっております。
お香の香木の高級順に言うと、1位=伽羅、2位=沈香、3位=白檀といったところでしょうか。
お香をたいて、お部屋に来てくれたご友人たちと共に、ゆったりとほのかな香りをお楽しみいただいてはいかがでしょうか。
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