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お香の印香」って、どんなもの?
お香の印香(いんこう)という言葉を聞いたことはありませんか?
平安時代の貴族は、着物にお香を焚き、その香りを移しこんでいました。
当時、お香は「薫物(たきもの)」と呼ばれ、その原型は「練香」(ねりこう)でした。
練香の仲間で、小さくてかわいい形をかたどった、まるでお菓子の干菓子のように、カラフルなお香「印香(いんこう)」というものがあります。
今回は、お香の印香をご紹介していきたいと思います。
お香の印香についてちょっと詳しく
お香の印香について、もうちょっと詳しくご説明しましょう。
奈良時代から伝わる伝統的な形状のお香、練香(ねりこう)。
練香は、数十種類の香料を練り合わせ、それを型に入れ固め、型抜きしたものです。
印香は、練香と同様の製造工程で作られて、最終的な形状を、梅・桜や楓型、鳥、季節の花々などにくりぬいた干菓子状の可愛いお香です。
お香の印香は、和菓子のような季節感を感じる、見た目から楽しめる香りのオブジェになります。
サイズは1cmくらいです。
最近では、アニメなどのキャラクター形に作られることもあります。
しっとりした湿り気がある練香と相反して、印香は堅く乾燥したものになります。
お香、印香の焚き方について
では、お香の印香の焚き方についてご説明しましょう。
印香の焚き方は、普通は香炉を用いて「銀葉」に乗せます。
また、茶席などでは、風炉の季節(5月〜10月)に用いられます。
熱っした炭や熱源から少し離れた所に印香を1〜2粒のせて、ゆっくりと静かに、心地良い香りが広がります。
なお、火を使わなくてもほのかに香るので、小皿にぽんっと乗せて飾るだけでも、お部屋を演出して良い雰囲気を醸し出します。
着物地などの通気性の良い、布製の小袋か、網目の細かい小袋を用意して、その中に2〜4粒ほど入れて、匂い袋(サシャ)として使用するのもお勧めです。
平安時代は、お香文化の主役だった練香での薫物。
鎌倉時代は、沈香を中心とした香木を楽しみ、室町時代は、京都東山文化で茶の湯や華道などが発展した中で、聞香や、香りの表現方法である六国五味が生まれて香道も発展しました。
江戸時代には、線香の作り方が中国から伝わり、お香は一般社会の間にも広まり、香りを楽しむ嗜好品として幅広い分野で使用されるようになりました。
香りを楽しむお香と、先祖や神様にその煙を通して通じ合うため、お供えのためのお香であったり、さまざまな使い方が出来る素晴らしい文化だと思います。
いろいろな香りを楽しみながら、自分の香りを決めてみるなど、活用の場を広めてみたいものですね。
お香は周りの空気だけでなく、自分の心を豊かにしてくれるかもしれません。
お仏壇へのお供えとしてだけでなく、ぜひ、日ごろの様々なシーンの中にも、お香の香りを取り入れてみるのも良いでしょう。
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