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お香の「練香」って、どんなもの?
お香の練香(ねりこう)という言葉をご存知でしょうか?
奈良時代、平安貴族の生活にすでにあったお香は、「薫物(たきもの)」と呼ばれていました。
古来から伝わる伝統的な形状のお香とされています。
この時代のお香は練香(ねりこう)が主役でした。
約1cmほどの練香は粒状で丸く黒いので、見た目は“正露丸”です。
香道や茶道ではよく使われていますが、あまり一般的には見ないかもしれませんね。
そんな練香についてのご紹介です。
お香の練香についてちょっと詳しく
伝統的な製法を奈良時代から伝承されつづけたお香「練香(ねりこう)」。
一部では「煉香」とも書きます。
お香の練香は、数十種類の香料を、種々に組み合わせて練り合わせ、それらを型に入れ固め、型抜きして、丸めたもので、現在も工程はほぼ手作りです。
約1cmほどの練香の粒。
表面は黒っぽく、しっとりとしていてかすかに香りがします。
練香は各種の香木、沈香や丁字・白檀・貝香など香料を粉末状にし、(現代ではさらにお花などの人工的な香料も含まれます)梅肉や蜂蜜、炭の粉を練り固めて、丸く粒状に作られたものです。
ちなみにお香は、目的・形状によって呼称を変えます。
大まかには香木、線香、練香、塗香、抹香、焼香、匂い香に分けられます。
お香の練香の使用方法について
お香の練香の使用方法についてご紹介しましょう。
練香の用途としては、平安貴族の生活で使用されていたお香は、薫物(たきもの)と呼ばれ、着物やお部屋への香り付けで楽しんでいました。
茶道でのお茶席においては、炉のなかの灰のうえに置きじわじわと温めて、静かな香りで茶室を演出します。
香炉を用いて香りを楽しむ。
練香自体には火をつけず間接的に温めて、その香りを楽しみます。
香道での香木の薫き方と同じに香炉を使うのが一般的です。
灰を入れた香炉に熱した炭を入れ、その火元近くに乗せてやや強めに香りを発生させる方法。
さらに銀葉と呼ばれるガラス製の小さな角板の上に乗せてほのかに香る方法があります。
また練香には、原料を練りあわせ、梅型や楓型など、小さな形にくりぬいた、和菓子の干菓子状に仕上げる印香もあります。
お香はもともとは仏教の国インドから生まれました。
お香文化となった日本には、中国から伝来されたのです。
中国から日本へきた練香ですが、製法を伝授したのは鑑真和上です。
細かく粉末にして混ぜ合わせた香料に、練るための粘着性を出す手法として、種々の蜜と糖分を加える製法だったものを、日本では蜂蜜と梅肉を加えることで、香料を練り合わせています
練香は湿った状態を保たせる必要性から、蒸発を誘導する性質の水は使ってません。
湿っているからこそ、練香独特の深みのある静かで穏やかな香りが出るのです。
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